Vボルト / 電圧
電気を流そうとする強さ
電気を押す力にたとえられます。レポートの「48V」は電圧の数値です。
A FIRST LOOK AT THE REPORTS
電気に詳しくなくても、大丈夫。
まずは「何を確かめたか」と「数字の意味」から。
スマホを充電する、ノートPCにつなぐ。そんな毎日のケーブル選びにつながるように、掲載中のレポートを実例にして説明します。
01 / THREE UNITS
V・A・Wは、それぞれ違うものを表す単位です。
Vボルト / 電圧
電気を押す力にたとえられます。レポートの「48V」は電圧の数値です。
Aアンペア / 電流
電流の大きさを表します。「5A」は、測定時に流す電流の条件や実測値に使います。
Wワット / 電力
エネルギーをどれくらいの勢いで送っているかを表します。今回の直流測定では、V × Aで求めます。
ワット数だけで、スマホの充電速度は決まりません。
充電器・ケーブル・機器の対応に加え、電池残量や温度などによっても変わります。
機器に合う条件で給電します。USB PDは、充電器と電気を受け取る機器が、使う電圧や電流の条件をやり取りする仕組みです。ケーブルの「最大240W対応」は対応できる給電能力の上限を示すもので、いつも240Wを流すという意味ではありません。
また、充電への対応と、データ転送・映像出力への対応は別の情報です。同じUSB-Cの形でも、使いたい用途に合う仕様の確認が必要です。
02 / SETTING AND MEASUREMENT
比較用リファレンスケーブルAの掲載例を見てみましょう。2つの数字は、意味が違います。
設定した条件
48V × 5A = 240W
試験で指定した電圧と電流の組み合わせです。実際に240W届いた、という測定結果ではありません。
測定した値の中央値
47.263V × 5.000A = 236.315W
120秒間、同じ電流を流した試験で測った値です。ケーブルやコネクター、測定器を通った先で、スマホやPCの代わりに電気を受け取る試験装置が読み取っています。
実測値には電源の動作やケーブル、コネクター、測定器など、給電経路全体の影響が含まれます。この差だけから「ケーブルで何W失った」とは求められません。
例の出典:比較用リファレンスケーブルA 日本語レポート ↗(2026年10月17日測定・10月20日匿名公開版)。「中央値」は、測定値を小さい順に並べたときの真ん中の値です。ここで示した電圧・電流・電力は、それぞれの中央値です。
03 / WHERE TO START
ケーブルの名前・長さ・個体数、組み合わせた電源を見ます。掲載例では、スマホやノートPCの代わりに、電気を受け取る試験装置を接続しています。受け取る電流を調整できるので、さまざまな充電条件を確かめられます。
電圧、電流、保持時間、コンセント側の入力条件を見ます。「100Vac / 230Vac」は電源へ入れる交流の条件で、ケーブルへそのまま100Vや230Vを流したという意味ではありません。
設定値と実測値を見比べます。「高負荷保持」は多くの電流を流して一定時間確かめる試験、「電流往復掃引」は電流を少しずつ増やしてから減らす試験です。
結果に加え、中断や再測定、未評価の項目も見ます。「120秒保持」はその時間・条件での記録で、何時間も使う試験や温度測定まで実施した意味ではありません。
04 / UNDERSTANDING PASS
「29 / 29 PASS」は、計画した29項目が、その資料に書かれた判定条件を満たしたという意味です。
ケーブル29本を測った意味ではありません。たとえばDAISOの掲載例は、ケーブル1本に対して、電圧や負荷を変えた29項目を実施した記録です。
Frameworkの2mケーブルは、収録機器の停止後に最後の1項目を再測定し、2回の測定で成功記録が揃いました。29項目を一度に続けて完了した例とは区別しています。
すべての使い方や、製品全体の保証を表すものではありません。
掲載例は各個体・記録した条件での動作検証です。USB-IF認証、データ通信速度、長期耐久や製品の温度測定の結果としては扱いません。
05 / READING A COMPARISON
「電圧降下」は、電流を多く流したときに電圧がどのくらい下がったか、という見方です。
今回のケーブル比較では、高負荷試験の前後に少ない電流で測った電圧を基準にして、高負荷時の電圧との差を求めています。設定した48Vから引くだけの計算とは違います。
mV(ミリボルト)は、1Vの1,000分の1。約207mVは約0.207Vです。DAISOの掲載例では、5Aを流したときの電圧降下が、リファレンスAの比較用記録より約207〜210mV大きかったと記録しています。
これは、記録した給電経路で見られた差です。電源、コネクター、測定器、別時刻の測定差なども含まれるため、そのままケーブル単体の抵抗や製品の良否には置き換えられません。
比較の前に、長さ、電源、電流、測定時刻や接続条件を確認しましょう。Frameworkの例は2m、比較用リファレンスケーブルAの基準は1mで、長さも異なります。
比較用の「リファレンス」は、同じベンチで比べるための記録です。校正された標準器という意味ではありません。詳しい条件は、DAISO 日本語レポート ↗の「高負荷保持と基準比較」で確認できます。
06 / QUICK REFERENCE
NOW, OPEN A REPORT
対象と条件、結果の要約を読んでみてください。気になった数字から、表や図へ進めば大丈夫です。
この解説は、GauGauで公開している測定記録の読み方を紹介するものです。USB PDの規格説明は、USB-IFの公式案内(英語) ↗も参照できます。